静かに佇む誕生仏。

天を指し、地を指し、
「天上天下唯我独尊」と説かれたその姿は、
一人ひとりの命がかけがえのないものであることを、そっと思い出させてくれます。
**天上天下唯我独尊(てんじょうてんげ ゆいがどくそん)**は、仏教に伝わる言葉で、釈迦が生まれてすぐに語ったとされる句です。
直訳すると
「天の上にも天の下にも、ただ我ひとりが尊い」
となりますが、ここでいう「我」とは、自分だけが偉いという意味ではありません。
仏教での本来の意味は、
この世に生まれたすべての命は、それぞれがかけがえなく尊い存在である
という教えです。
人と比べて優れているかどうかではなく、
代わりのきかない命であること それぞれに役目や縁があること を示しています。
また、この言葉にはもう一つの含みがあります。
自分の人生を、自分として精一杯生きなさい
という励ましの意味です。
他人になろうとせず、
与えられた命を大切に生きること。
それが仏教が伝えようとした「唯我独尊」です。
慌ただしい日々の中でも、
心を澄ませるひとときを大切にしたいものです。

