「親が親なら、子も子だなぁ」
この言葉は、ときに突き放すように聞こえますが、実はとても重く、そして真実を含んでいます。
周りを見渡すと、子どものことで悩み、嘆き、文句を口にする親の姿をよく見かけます。
言うことを聞かない、態度が悪い、感謝がない、努力しない——
その一つひとつは、確かに親として心配になることばかりでしょう。
けれど、ふと立ち止まって考えてみたいのです。
その姿は、本当に「子どもだけ」の問題なのでしょうか。
子どもは、親の写し鏡だと言われます。
言葉遣い、態度、感情の扱い方、人への向き合い方。
子どもは驚くほど、親の背中を見ています。
注意深く、そして正直に。
親が不満ばかりを口にすれば、子も不満を覚えます。
親が人を責めれば、子も責めることを覚えます。
親が自分を省みず、変わろうとしなければ、子どももまた「変わらなくていい」と学んでしまうのです。
だからこそ、子どもを正そうとする前に、まずは親自身が問い直す必要があります。
自分はどう在りたいのか。
どんな背中を見せているのか。
その姿は、子どもに誇れるものか。
子どもは、言葉よりも生き方から学びます。
説教よりも、日々の振る舞いから感じ取ります。
「なおすべきは子どもだ」と思ったときこそ、実は「親がなおる時」なのかもしれません。
親が変われば、空気が変わります。
空気が変われば、子どもは自然と変わります。
それは叱ることでも、支配することでもなく、静かに、しかし確実に伝わっていくものです。
親が親なら、子もまた子。
この言葉は、子どもを裁く言葉ではありません。
親自身に向けられた、深い問いなのだと思います。

